『質問魔』

 テン・テン・ツク・テン・テケ・テン・テン・テケ・ツク・テン・シャン・テン・の・スッ・テケ・テン・・・ 


え〜、ようこそお越しいただきまして、まことにありがとうございます。 世の中の移り変わりといいますのは、まことに早いものでございまして、二十一世紀になったら、少子高齢化社会が来るよなんて言われておりましたんですが・・、気が付きましたら、もうその時代は来ていまして・・。驚きましたねえ、子どもさんの数がどんどん減ってますそうで・・。そのかわり、中高年が目覚ましい増殖ぶりで、なんて云うと、怒られますけどねぇ・・。おめぇだって、そうだろ。・・なんて、どうもすいません。子どもさんは、小さなうちは何でも聞きたがりますな。質問魔ですな。国会の野党みたいです。親も、どう答えていいものか、しばしば立ち往生しておりまして、子どもになめられてたまるか・・ってんで、無理やり、こじつけで答えてる親もおります・・。


 息子  「え〜、おとっつぁん」 


親父  「なんでぇ・・? おめぇから、改まってそう呼び掛けられると、決まって、なにか悪い予感がするんだな・・」 


息子  「ねぇ、なんで女の人は、あんなにお化粧するの・・?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・、見た目をきれいにするためだろう」


 息子  「もとの顔は、きれいじゃないの?」


 親父  「そりゃあ、人間にゃあ、欲ってもんがあるんだろうナ・・」 


息子  「じゃあ、親が失敗した処を、毎朝繕(つくろ)ってるんだね」


 親父  「こいつ、マセたこと言うんじゃねぇ」 


息子  「ねぇ、お相撲さんは何で土俵に上がる時、しかめっ面(つら)するの?」


 親父  「あれは、気合いを入れてるんだ」 


息子  「そうかなぁ、なんだかつまらなそうな顔に見えるよ・・。 相撲がイヤでイヤでしょうがないって顔だよ」 


親父  「伝統ある国技とは、ああいう顔をすることになってるんだ。その証拠に、力士を辞めた途端に、タレントになっちまうだろう」 


息子  「ねぇ、モリトモガクエンって何・・?」 


親父  「ハレンチ学園の仲間だろう・・」 


息子  「何で、国会でもめてるの?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・、生徒に軍歌を歌わせるからだろ・・」 


息子  「何で、オリンピックにはカネがかかるの?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・。金メダルを作るだからだナ」 


息子  「何で、豊洲市場は問題なの?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・、名前がマズかったんだな」 


息子  「何で、大人は浮気するの?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・、運試しをしようってんじゃねぇか・・」 


息子  「子どもなら、女の子とも仲良くしなさいって言われるのに、大人は、何でいけないの?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・、大人が仲良くすると、・・い・い・いろいろと、大変なんだナ・・」 


息子  「ねぇ、ケンポウカイセイって、何なの・・?」 


親父  「ありゃあ、おめぇ・・、蚊の一種だナ」 


息子  「首相のたった一つのスローガンじゃないの・・?」 


親父  「あ、・・そ・そうだったかナ」


 息子  「ほかにはないの・・?」 


親父  「ほかには、なんとかミクスかナ」

 

息子  「ねぇ、AIって、何なの・・?」 


親父  「ありゃあ、おめぇ・・、最近やって来た宇宙人だろ」 


息子  「ねぇ、何で官庁は、無駄遣いばかりするの・・?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・、もう、やみつきになっちまったからだろう」 


息子  「ねぇ、何でいつまでも景気が悪いの・・?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・、政治家がおバカだからだろう」 


息子  「何でおバカな政治家が選挙で当選するの・・?」 


親父  「そりゃあ、おめぇ・・、選挙民もおバカだからだろう」 


息子  「おとっつぁんも、選挙民だろ・・?」 


親父  「なにをッ!・・・おとっつぁんは、選挙民なんかじゃねぇッ!」 



                                             お後がよろしいようで・・     

ポンコツ落語

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